rit.

好きなことを好きなだけ、ゆっくりと穏やかに。

ビヨのスの多幸感は世界を救う

フィロソフィーのダンス×BEYOOOOONDSの2マンライブ「unshrink」、間違いなく今年一番の幸福が溢れた最高の空間だった。

NHK「RAGAZZE!(ラガッツェ)~少女たちよ!~」が繋いでくれたこの縁。告知された瞬間からハロオタ、フィロオタ双方が盛り上がりまくり、メンバー同士も盛り上がりまくり、最初っから相思相愛な2マンライブ、絶対に間違ない。

 

こんな奇跡の共演が実現することを最後の最後まで信じられなかった。ハロプロの中でも新たな路線を邁進する、才能と個性に溢れたBEYOOOOONDS。そもそもコロナ禍によりフルメンバーでフルパフォーマンスをする機会もそう多くはない。

一方のフィロソフィーのダンスもまた、アイドルにファンク、R&Bを歌わせるというコンセプトのもと様々な背景と個性を持つメンバーが集ったグループ。元ナイスガールトレイニーの佐藤まりあさん、ハロオタを公言してやまない奥津マリリ’21さん(Twitterのアカウント名をモーニング娘。に合わせている)などハロプロに縁深いメンバーもいる。

音楽的も方向性もユニークでスペシャルなグループが2マン?ビヨのス?夢??兼オタの都合のいい夢??…といった感じである。(会場最寄りの台場駅に着いてもなお友人と「わたしはまだ信じてない……」と言い合う諦めの悪さ。)

 

開場中。昭和歌謡から始まりでんぱ組、乃木坂……と古今東西アイドルソングが流れる。ステージ上にはアメーバのように広がる謎の物体。この2マンライブのタイトルは”unshrink=非収縮性”。脈々と続く群雄割拠のアイドル界において怯むことなくオリジナリティを持って伸び続ける2グループを象徴するような空間が広がっていた。

5分押しで開演。ステージにまず現れたのは小林萌花、里吉うたの、平井美葉。

この布陣、まさか……『アツイ!』!!!!!

もうこの時点で会場のボルテージがMAX。上手サイドめの席だったんだけど、うーたん(推し)と美葉さま(推し)が交互にやってきて最高にクールなダンスパフォーマンスを見せてくれるものでもうここですでに記憶がありません。とりあえず青と紫のサイリウムを振りまくってたら目線をくれた気がする(オタク特有のやつ)。

メタル調の『アツイ!』全力パフォーマンスからの、ファンク調の『元年バンジージャンプ』でキラキラ全開、そして『ニッポンノD・N・A!』で勢いに乗り、未成年の主張パロディで会場を沸かせる。

楽曲派フィロのスに合わせ音楽的な変化をつけつつ、今のBEYOOOOONDSの持ちうる全ての魅力をこれでもかと叩きつけてくる選曲に、ビヨの本気を感じた。

MCタイム。踊ってみたい曲や歌ってみたい曲、はたまたフィロのスに合いそうなアメ車(by大阪府出身16歳の岡村美波さん)まで、フィロのスに寄せた自己紹介、フィロのスをかっこいい、セクシー、と褒め称えるビヨのみんな(尊い)。里吉うたのさんは楽しみすぎてこのライブのためのプレイリストを作り気持ちをさらに高めてきたそうです(尊い)。

会場中が尊さと慈愛に満ちたところで『ダンス・ファウンダー』カバー披露。なんとこちら、うーたんによるステージング!!(ブログ参照)4人のフォーメーションを12人バージョンに……歌割もそれぞれの特徴に寄せて歌ってくれて、もう、、、、愛しかないじゃん、、、、、

久しぶりの『眼鏡の男の子』、『激辛LOVE』とBEYOOOOONDSといえば、な楽曲を続けて披露してからの『こんなハズジャナカッター! 』。この曲は歴代のハロー!プロジェクトのグループ名が歌詞に織り込まれ、BEYOOOOONDS結成〜デビューの軌跡を彼女たちらしく面白おかしく、そして感動的に歌い上げる名曲である。

幼い頃から鍛錬を重ねようやくデビューを掴んだ叩き上げのハロプロ研修生たちと、18歳、大学生になってから飛び込んだ3人の新星。思っていたアイドル像とは違うかもしれないけど、これでよかった。BEYOOOOONDSでよかったと歌う。脈々と続くハロプロの歴史を受け継ぎ発展させていく彼女たちの一大叙事詩

そこにさらに『伸びしろ〜Beyond the World〜』を重ねてくるというエモさ満点のセットリスト。様々な想いと覚悟を持って今ここにいることを選んだ12人の決意に満ちた壮大なバラード。後半はソウルフルな曲調に変わり、圧倒的な声量で高らかに歌い上げる人間讃歌。

「振り返れば遠くに、あの日の私がいる。」
「止まらなかった涙も、いつかは笑顔に変わるのね。」
「大丈夫。きっとこの道は、未来に伸びている。」

綺麗に小さくまとまるな
自由に変幻自在に水のように
飽き飽きしてた自分自身を飛び超えて

これからも小さくまとまることなく何もかもを飛び越えてゆく=unshrinkなBEYOOOOONDSの輝きに満ちた圧巻のステージだった。

 

ここでもうすでに圧倒的な幸福感に包まれていた会場をさらにフィロソフィーのダンスが盛り上げる。

日向ハルさんが「わたし自由になるわ!」と高らかに歌い上げ始まる『フォーカス』。そこから『好感度上げたい!』『ラブバリエーション』というオタクのコール、レスポンス(がわりの拍手と手振り)で盛り上がる2曲を続けざまに披露。

『フォーカス』はCHAIのユウキ提供。メジャーデビュー後、様々な方面からの提供曲も増えた。その度にそれぞれの捉えたフィロソフィーのダンス像が興味深く、また新しい彼女たちの姿が見えてくる。

世界に合わないなら

私にあうものだけ

こっちから選べばいい

フィロのスの魅力はこの、ある種しがらみから自由になったあっけらかんとした強さ、自己肯定感の高さなのだと思う。

MCタイム、ハロプロ風自己紹介で渋めな一言を発表し笑いを誘う4人。

 神奈川県出身 18歳 Fカップ 奥津マリリ

 埼玉県出身 17歳 好きな入浴剤はひのき 佐藤まりあ

 東京都出身15歳 好きなウイスキーは角とメイカーズマーク(日向ハル名乗り忘れ)

 秋葉原の申し子 年齢非公開 今日の朝食は干し柿 十束おとは

未成年の主張での岡村美波さんの「どうしたらかっこよくセクシーになれますか〜?」に対し、「歳を重ねれば…自然と…」と返すおとはすに、バカ笑いするハルマリ。BEYOOOOONDSとの2マンライブという現実に感極まって号泣するマリリに「ちゃんとして?」「いい大人だよ?」と諭す3人。

紆余曲折を経てアイドルという道を、アイドルという仕事を選び、歩んできた4人の等身大の個性を心から愛してやまない。ひとたびパフォーマンスが始まれば観客を独自の世界観にひき込む表現力と吸引力。新曲リリースのたびに更新される最高のビジュアル。メジャーデビュー後、コロナ禍で満足に活動できないこともあったと思うけれど、自分たちの哲学を、信念を持ち、4人でバカ笑いしながら前へ進むフィロソフィーのダンスがどうしようもなく大好きで、いつまでも見ていたいと思う。

 

話は戻って、涙腺がばかになり大泣きのマリリを宥め、佐藤まりあさんが「心を込めて歌います」と切り出し歌い始めたのはCHICA#TETSU『都営大江戸線六本木駅で抱きしめて』カバー。THE王道アイドルなこの曲をフィロのスがカバーする世界線……存在したんだ……正直、友人と二人崩れ落ちかけててあんまり記憶がない。ハルちゃんのゴリゴリ豆知識と最後に髪を振り乱しながら踊る佐藤まりあさんにフィロのスみを感じて安心したことは覚えている。

キュートでプリティなテンションから一転、クールなシティポップ『テレフォニズム』、看板曲である『シスター』と続け、『都営大江戸線の〜』の興奮と衝撃冷めやらない観客を爆速で置いていく。ファンクで盛り上がる曲も、ポップなアイドルソングも、ソウルフルな歌声も、切なく美しいメロディも、フィロソフィーのダンスの魅力を余すことなくぶつけてくるセットリスト。

輝きに満ちた疾走感の『ダブル・スタンダード』、ライブ定番曲の『ライブ・ライフ』を歌い上げ、会場は最上級の多幸感で包まれる。『伸びしろ〜』がBEYOOOOONDSの人生讃歌だとするなら、フィロソフィーのダンスは『ライブ・ライフ』がそれだ。

いまはlive life!

愛を歌わせて

生きる、ってそのことだ

一緒に行こう?この瞬間を愛で埋めるミュージック!

フィロのスのライブはいつだって生きる喜びと愛に満ちた最高に幸せな空間だけれど、この日はBEYOOOOONDSの輝きに満ちたライブパフォーマンスが加わり天井知らずの多幸感だった。2グループの化学反応と相乗効果、呼応し盛り上がる観客。まさにライブの醍醐味が詰まった空間。間違いなく2021年で一番最高な夜だった。

 

それにしても両グループの相性、オタクが想像していた百億万倍よかったんですけど。どうかこのまま夏の風物詩みたいな感じで毎年開催してくれませんか???というかこの奇跡のライブ、円盤化しないんですか????4K・Dolby Atmosのフォーマットでいけませんか????カネならいくらでも積むんで、アップフロントの偉い方、ソニーミュージックの偉い方、加茂さん、どうかよろしくお願い申し上げます。

最後に多幸感に溢れる里吉うたのさんのブログと、オタク感に溢れる奥津マリリさんのブログを置いておきます。

最初っから最後まで見てるこっちが妬けちゃうくらい相思相愛なビヨのス、ほんとにほんっっと〜〜〜〜〜に!!!最高だった!!!あ〜〜〜〜大好き!!

 

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2021.09.14

BEYOOOOONDS × フィロソフィーのダンス「unshrink」

Zepp DiverCity(TOKYO)

‖ BEYOOOOONDS

アツイ!
元年バンジージャンプ(令和3年バージョン)
ニッポンノD・N・A!
ダンス・ファウンダー(カバー)
眼鏡の男の子
激辛LOVE
こんなハズジャナカッター!
伸びしろ〜Beyond the World〜

フィロソフィーのダンス

フォーカス
好感度あげたい!
ラブ・バリエーション
都営大江戸線六本木駅で抱きしめて(CHICA#TETSUカバー)
テレフォニズム
シスター
ダブル・スタンダード
ライブ・ライフ