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好きなことを好きなだけ、ゆっくりと穏やかに。

君が好きなメロディ口ずさみながら|BEYOOOOOPHONICⅡセトリと感想

念願のビヨフォニック、BEYOOOOONDSの無限の可能性と豊かな音楽性を浴びる、幸せで贅沢な時間だった。

正直、開演まではとても複雑な感情だったのも事実。3/1 一岡怜奈さん卒業発表。1ヶ月経ち3/30 には5thシングル『灰toダイヤモンド』MV 解禁もありどうにか前を向けそうになったところで、4/4山﨑夢羽さん卒業発表。

ハロプロを応援し続けてきて、永遠なんてないということはよくわかっていた。でもBEYOOOOOONDSにはそれがあり得るんじゃないかと、勝手な期待をしてしまっていた。

BEYOPHOOOOONICⅡはそんなあまりにも自分勝手な感傷をきれいに吹き飛ばしてくれた。オーケストラの演奏を背負いながらパフォーマンスするBEYOOOOONDSは、あまりにも頼もしく格好良くて。

中央にパイプオルガンが据え付けられた、美しい東京芸術劇場コンサートホール。前回の映像を何度も観ていた身からすると「これが……!」という謎の感動まであった。

開演。オーケストラの入場の後、BEYOOOOONDSの登場。前回はそれぞれの個性に沿った衣裳だったが今回は、皆同じジャケットとワンピースがドッキングしたような衣裳。ベルトやビジューがメンバーカラーだったり足元がそれぞれ違ったり。うーたんは白ソックス×鬼高白ヒール、ほのぴは足首までの白ソックスに黒パンプスでクラシカルな雰囲気など。うーたんの青髪似合いすぎてたし、ほのぴのハーフアップに黒のベロアのリボン、美葉さんのビジュー付きカチューシャはあまりにも恋でした。クラシカルなコンセプトが似合いすぎるBEYOOOOONDS

楽器紹介の「OOOOOVERTURE」の後、いきなり新曲「灰toダイヤモンド」。オーケストラ×生歌でよくわかる旋律の複雑さ。その後MCでうーたんが、ラップをやりたくてラップの曲を作って欲しいと直談判してできた曲だと話してくれた。うたのラップ、キャッチーでキュートで最高なのでもっともっと聴ける機会を増やしてほしい。切実に。この曲のうたももさやりんのラップパート大好きすぎる。

Hey! ビヨンダ」では桃々姫ちゃんのトークボックス全開。なかなかオーケストラとコラボなんてなくて貴重すぎる!という桃々姫ちゃまに指揮者いくろうさんが海外ではDJとオケが演奏なんてのもやってるよ。というお話。それに対し次はみいみDJやりたいね!!と返すメンバー。姫ちゃまは最近テルミンも練習しているらしいと聞いてBEYOOOOONDSの幅の広さになんだか改めて感嘆しすぎて笑ってしまった。凄すぎる。

眼鏡の男の子」では一岡さんのセリフもしおりんがカバー。忙しない一人二役で観客の笑いを誘い、鼓の音も相まってしんみりすることなくコメディに昇華してくれた。

循環」では全員歌唱でBEYOOOOONDSの歌声の底力を、「きのこたけのこ大戦記」では突き抜けた表現力を見せつけられた。「きのこたけのこ〜」、ビヨの歌劇調の曲の中でも音楽的に多様で面白くオーケストラ映えするので前回に引き続き選ばれたのは納得なんだけど、オーケストラ生演奏で聴くというのは面白贅沢空間でした。2チームの争いに挟まれてずっと怯えてるSeasoningSはあまりにもちいかわ。もしくはサンリオワールド。

歌唱後、メンバーがハケてピアノの前に座るほのぴとオーケストラが残される。一呼吸おきいくろうさんの指揮に合わせあの印象的なホルンの旋律が鳴り響いた。チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」。

ここまでマイクを持って歌い踊ったりピアノを弾いたりと大忙しな小林萌花さんを見つめながら、「ほのぴのピアノはBEYOOOOONDSの武器」と言うメンバーの声を聞きながら、いつかこんなコンサートホールで、ほのぴが弾くピアノコンツェルトを聴きたいなあ、とぼんやり思っていたところだった。いつか、と思っていた未来がいま目の前で現実になった。

オーディション時に動機を話す姿からビヨの楽曲でのピアノ演奏、音大卒業、テレビ番組や外部コンサートで活躍する姿まで、小林萌花さんのこれまでの活動と一貫した想いが脳内ですさまじい勢いで駆け巡って、涙が止まらなかった。ほのぴのピアノへの、音楽への情熱が一つの実を結んだように思えて。素晴らしい演奏だった。

演奏後、いくろうさんが「いつかフルでやりたいですね、頑張りましょう」と言ってくださったのも嬉しかった。本当にいつか聴きたい。個人的にもこのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は大好きで、創造の源や情熱をなくした時に良く聞いては奮い立たされる曲なので。

半ば放心状態で指揮チャレンジタイムを過ごし、「英雄〜笑って!ショパン先輩〜」。桃々姫ちゃまのヒューマンビートボックス、コンサートホールの空間で鋭く重く深く綺麗に響いていた。すごすぎる。

そして「恋する銀河」。宇宙と音楽の調和・関係性にまで想いを馳せるような壮大なシンフォニーを、ようやく生オケで浴びることができた。地上に立つ1人の恋する乙女と銀河・宇宙を行き来する、スケールの大きすぎる愛の讃歌

MCタイム。金と銀のカスタネットをビヨフォニ2の記念で作ったんだって。景気いい、最高。観客への抽選タイムの後、「涙のカスタネット」。コンサートホールがこんなビビッドな赤と青に染まることってあるんだ……あと、ビヨヲタは「ショパン先輩」の指揮パートと「涙のカスタネット」のタイミングはもう身体で覚えてるみたい。初披露の時はモニターのカスタネットマークを必死に追ってたのに、今じゃもう音楽として奏でる心の余裕すらあるもんな。コンサートホールに響くカスタネットの響きは格別でした。

そこからの「虎視タンタ・ターン」「ニッポンノD・N・A!」。ほのぴのキーター(ショルダーキーボード)になんと、いくろうさんも参戦。大盛り上がりの後、「夢さえ描けない夜空には」で自分でも引くくらい号泣してしまった。普段のコンサートでも多幸感と優しさにどうしても涙が堪えられないのだけど、コンサートホールでオーケストラの奏でる音楽に包まれたらもう、抗えなかった。一緒に歌いたいのに全然歌えなくて、2階席の1列目で3本のペンライトを片手に握り締め、片手で嗚咽を堪えるヲタク、限界すぎる。BEYOOOOONDSを推していると、多幸感で涙が出る、心震える瞬間に出会うことがある。今がそれだった。

夢でも敵わない 今ここにいる瞬間

君が君として生まれてきたことって

長い長い時のたった一度しかないんだ

美しいことなんだ

以上で本編終了。

アンコールで代表して数名の挨拶の中、小林萌花さんがピアノ協奏曲に触れ、客席が緑のペンライトで埋まって皆が応援してくれてるようで「良い道を選んだなあ、と思いました」と言ってくれて、また泣いた。この道に挑んでくれて、選んでくれて、掴み取ってくれて、頑張り続けてくれて、こんなに素敵な景色を見せてくれて、本当にありがとう。

アンコールは「伸びしろ~Beyond the World~」これもまた名曲だしオーケストラとの相性が抜群。バラード調で寄り添う前半から、爆発的な多幸感を発揮する後半パート。オーケストラのパワーとBEYOOOOONDSの歌声のパワーが相乗効果を生み出しながらぶつかってくるようだった。

まだ何も終わっちゃいない

今始まったのさ

圧倒的な説得力をもって歌い上げられるこの曲にまた泣きながら、BEYOOOOONDSの多様で豊かな音楽性を改めて噛み締めた。そしてそこから巣立とうとする山﨑夢羽さんの未来を、一岡怜奈さんの幸せを、心の底から祈った。

自由に変幻自在に進んでいくBEYOOOOONDSをこれからも応援して行きたいし、SeasoningSの3人の進化を見守って行きたいと思った。これからも手を攣りながら3色3本ペンライトを振り続けます! 大好きな大好きなBEYOOOOONDS、そして藤原いくろうさん、パシフィックフィルハーモニアポップス東京の皆様、贅沢で幸せな時間をありがとうございました。

 

セットリスト

BEYOOOOOPHONICⅡ 

東京芸術劇場コンサートホール
2024年4月6日(土)19:00開演 (20:40頃終演)

出演:BEYOOOOONDS
指揮:藤原いくろう
演奏:パシフィックフィルハーモニアポップス東京

OOOOOVERTURE

灰 to ダイヤモンド
Hey! ビヨンダ

眼鏡の男の子
恋愛奉行

循環(雨ノ森川海)全員ver
きのこたけのこ大戦記

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番ロ短調作品23 第1楽章より ピアノ:小林萌花

指揮タイム(江口紗耶・高瀬くるみ)

英雄〜笑って!ショパン先輩〜
恋する銀河

涙のカスタネット
虎視タンタ・ターン
ニッポンノD・N・A!

夢さえ描けない夜空には

EN:伸びしろ~Beyond the World~